人との出会い

~人生の貴重な財産~

岸田今日子さん

岸田今日子さん 原宿、神宮前1丁目マンション ビラ原宿、202号の土屋拓三事務所。「お昼ご飯を食べましょう」とご一緒した仲良しだった。
岩手県の あとりえ・たくみ 木馬の工房でもCM企画を立てて、岸田今日子さんにお仕事を依頼していました。木馬、ロッキングチェアー、オルゴール、欅文箱、押花を作る道具、ランプなどをお使いくださいました。
木馬にまつわる童話のようなエッセイはエッセイスト賞を受賞した一篇です。

岸田今日子さん 岸田今日子さんからの便り。

そしてこの秋、久しぶりに逢うことになった
     ~
私は眼をつぶって、木馬を撫でる。
首筋のなめらかな曲線から
少し上を向いて
何かを待っているような木馬
お前は何を待っているんだろう。
乗ってくれる小さなご主人を?
そのご主人をのせて、お前は
どこへ走っていこうというんだろう?
お前が生まれた北の国の
栗林の中へ?
それとも、その小さなご主人だけが
知っている夢の世界へ?

岸田今日子「妄想の森」より
土屋拓三の木馬にお書きくださった随筆の末尾です。
~そしてこの秋、久しぶりに逢うことになった、~と書かれている。
お逢いして(90年秋)土屋拓三の仕事をご一緒に出来ました。

下重暁子さん

「その時、その人と」 出会えてよかった、下重暁子さん。

「子供の玩具」木馬と思われるけれど、僕は大人の木馬へと木工芸の領域を広げようとしていました。デザインして、試作を重ねて、これで良いか~もう尽きるほどに思考しました。
樹齢200年の最高の欅の良材を3寸厚にして、乾燥、手入れして用意しました。
その時、その人、下重暁子さんが、ご自分用の木馬をオーダーしてくださいました。
「大人だって木馬は楽しい」と山の仕事部屋で楽しまれています。
「クロワッサン」の美しき日本の手技に紹介して頂き、今では工房の最も重要な作品になりました。

高倉健さん

木馬 第一号をお買上げー昭和62年8月8日土曜、午前10時30分頃。
新高輪プリンスホテル スーベニアギャラリーにご来場、木馬の土屋拓三として、初めての個展に弾みをつけていただきました。
現在、盛岡市視覚支援学校で使われている木馬と兄弟、同じデザインです。

健さんとは、白黒映画の頃からの仲間です。スタジオの裏には戦時中の爆弾池があり、陽だまりで話をしました。

早稲田大学 仏教美術 名誉教授 大橋一章 先生

西武百貨店池袋店 土屋拓三個展会場で作品をご覧くださいました。
「これは本物です」この言葉が励みになり木馬を作り続けています。
作品を繰り返しご覧いただきました。北上山系の自然林から得られた樹齢200年余の栃ノ木を使った特注デスク、木馬、カウンターデスク、椅子などお使いいただいています。
仏教美術がご専門です。木と漆など深い造詣をお持ちの先生と現在も親しくお付き合い頂いております。